車検の意味|車検は要らない?

現代社会において車は欠かせないもの。しかし「車は走る凶器」と言われるほど車が危険なことも事実です。

近年、技術の向上による故障率の低下や車検の費用が高い等の理由から車検は必要ないという声が数多くあります。

しかし本当に車検は不要で車検の費用は高いのでしょうか?

このページではそれらの疑問を解決します。

 

1.車検の定義

 

まずは車検の定義についてです。車検は正式名称を「自動車検査登録制度」と言い、自動車の安全確保・公害防止を図り、個々の自動車の識別・所有及び使用の実態を把握するために国家が定めた制度のことで、車検の有効期限が過ぎた車に乗っている事が発覚すると重大な罰則が科されます。

検査は主にブレーキ系統や排気量、計器(速度計等)のチェックを行い、「現時点で」車に不良個所がないかのチェックをしています。

本来、車の所有者には自分自身でメンテナンスを行う義務がありますが、自分で整備を行う能力が無い、忙しくて整備をしている余裕がない等の理由でメンテナンスを行えない場合があります。

そのような方々のために定期的にメンテナンスを行うための機会を設けているのが車検なのです。

 

2.車検が高いのは本当?

 

一般に車検の費用は高額だと言われていますが、国が定めている車検の手数料(車の状態をチェックするのに必要な費用で一般には印紙代と呼ばれる)自体は1400円~1800円しかかかりません。

多くの人が車検時に支払っている金額の内の大半を占めているものは、車検と同時に支払っている重量税や自賠責保険料、整備費、法定24ヶ月点検費なのです。

 

2-1.重量税と自賠責保険料

 

これらは車検と同様に国が定めている税金と強制保険(加入が義務付けられている保険)で、車の所有車であれば車検の有無にかかわらず支払わなければなりません。

費用は二つ合わせて約30000~80000円(車両の大きさなどによって異なる)と多少割高には見えますが、これは次の車検までの税金と保険料を事前に一括で払っている扱いなので毎月の支払いに換算すると約1200~3000円となり、そこまで高くないことが分かります。

 

2-2.整備費

 

こちらも多くの人が車検と同時に支払っている費用ですが、整備は車検業者が車を車検に通すために行うものなので印紙代や重量税、自賠責保険料と異なり必ずしも払う必要はありません。

しかし、車検に通るような整備を自分自身でおこうことのできる人は数少ないので、車検をお願いする際に車検に通るような整備を業者にお願いするため整備費がかかるのです。

業者に整備をお願いせず、自分の手で車検を通すユーザー車検であれば整備費はかかりません。

 

2-3.法定24ヶ月点検費用

 

車検はあくまで「現時点」での車の不良をチェックする検査ですので、それとは別に今後安全に車に乗るために24ヶ月ごとに車の状態をチェックする法定24ヶ月点検というものがあります。

車検業者に車検をお願いするとこの点検も同時に行ってくれる所がほとんどで、車検用の整備とは別に安全に車に乗るために必要な整備の費用などもかかってきます。

 

これらの整備費についても自分で整備を行えない、普段から整備をしない人にとっては安全に車に乗るために大切なことなので、二年に一度プロに整備してもらう費用は普段の整備の手間をお金で買っていると考えれば高いとは言えないでしょう。

 

3.ユーザー車検

 

前述したとおり自身で車を車検に通すこともでき、それをユーザー車検と言います。普段から自分の手で整備をしており、車検を通すことが出来れば業者に代行をお願いする際の手数料

は掛かりません。また、法定24ヶ月点検についても自分の手で行うことが出来、両方を自力で行った場合、必要な費用は国によって払うことが義務付けられている印紙代、重量税、自賠責保険料のみになります。

車に詳しい方であればユーザー車検で車検を安く行なうことが出来ますが、相応の能力や設備が必要になり、しっかりとした整備ができない場合は故障の原因にも繋がるので注意が必要です。

 

まとめ

 

多少手間とお金がかかる車検ですが、その中にはプロが行う点検や整備が含まれているために高くなっており、車検が無くなっても今までと同程度の整備費は必要になるということを説明しました。勿論それらすべての点検や保険の義務化を無くせば車の維持費は安くなりますが、安全面を考えた上での制度をなくしてまで安くしようという人は少ないと思います。

車は命を預ける乗り物だからこそ、車に詳しくない人でも二年に一度しっかりと愛車を見てもらい、安全で楽しいカーライフを満喫してはいかがでしょうか?