ペーパードライバー卒業の教科書Vol.01 練習前の準備編

「運転免許を取得してから一度も車に乗ったことが無い」
「運転するのは教習ぶり」
「もう何年も運転していないから今更乗るのは怖い」
こうしたペーパードライバーの方が増えてきているように感じます。2012年にマイナビニュースが実施したアンケートによると、免許を持っている人のうち約35%の人が「あなたはペーパードライバーですか?」という質問に対してYESと答えています(有効回答数1,000件)。
たしかに免許を取得したての人が運転するためには、いくつかのハードルがあります。しかし一度ペーパードライバーとなってしまったら、運転する機会は少なくなる一方です。
それでもペーパードライバーを卒業したい!と思う人たちがこのページにたどり着いているのだと思います。今回は全5回に渡って、ペーパードライバーを卒業するための方法すべてをお伝えしたいと思います。
第一回の本記事では、ペーパードライバーを卒業するにあたって必要となる準備についてまとめました。ここから運転になれるその日(卒業式)まで一気に駆け抜けていきましょう。

運転する車を用意する

ペーパードライバーを卒業するために避けられないこと、それは”運転”です。どれだけ知識を詰め込んだとしても運転をしなければ卒業することは出来ません。そのためまずは運転する車を用意しましょう。

鉄則:家の車で練習するべからず!

初心者やペーパードライバーが運転の練習をするときに、親など家族の車を使うことがありますが、これは絶対にやめましょう。たとえ家族が運転しても適用される保険に入っている場合や、他人名義の車を運転する際に一日単位で加入できる保険に入っている場合であっても、親や家族の車を運転する事には大きなリスクが3つ隠れているのです。
1つ目は、事故を起こしてしまった際に翌年以降の保険料が上がってしまうという点です。車の保険というものは、事故を起こしてしまったりすると毎月保険会社に支払う保険料が高くなっていくのです。そのため車の名義人に対して大きな迷惑をかける可能性が高いのです。
2つ目は、一日単位で加入できる保険に入っている場合でも、事故の際には自己負担額が発生するという点です。この自己負担額のことを”免責金額”といいます。保険会社が「この金額までは責任を持てないので、自分で支払ってください」という金額です。某短期の保険では借りた車が壊れてしまった際の免責額が15万円であり、さらに保険会社からの支払い限度額は300万円となっています。人を轢いてしまったり壁にぶつけてしまった際に相手方に支払う金額はすべて保障されていますが、自分が運転している車については発生した金額すべてが保障されるわけでは無いのです。
3つ目は、その後の家族との関係性にヒビが入るという点です。家族の車で事故を起こすと、どんな小さなかすり傷を付けただけであっても一生言われ続けることになります。それは上記に挙げた保険料の問題なども絡まってくるためです。
上記の理由から家族の車で運転の練習をしようというのは避けるべきです。たとえ運転してもいいよと言われたとしても避けるようにしましょう。

小型のレンタカーを利用する

家の車以外で運転の練習をする場合にはレンタカーを利用するようにしましょう。レンタカーであれば万が一事故を起こしてしまっても支払う必要のある金額が予め定まっており、後々の人間関係にヒビが入る恐れもありません。
レンタカーを借りる際には小型の車両を選ぶようにしましょう。プリウスなどは車体が大きいのでペーパードライバーには不向きです。良いのは軽自動車やデミオ、マーチ、ヴィッツ、スイフト、ソリオです。これらの車の横幅がだいたい1,695mm、長さが3,900mmほどであるのに対してプリウスは横幅が1,745mmであり長さは4,448mmと大きさに差があるのが分かります。長さに至っては50cm以上の差があり、運転に慣れていない人だとぶつけてしまうリスクが非常に高いです。必ず小型の車を借りましょう。
また事故を起こす可能性が高いと思う場合には、レンタカー会社が提供する保険に加入しておきましょう。万が一のリスクが少ない方が安心して運転に集中することができます。

運転練習に付き合ってくれる人を探す

ペーパードライバーなのに一人で運転にチャレンジするのは非常に危険です。それは運転に関するアドバイスを受けることができないという以上に、運転に対する不安を拭うことが一切できないからと言った方が適切です。

まずは運転が上手い人を探す

運転が上手い人に同乗してもらった方が上手くなることは確実です。ブレーキを踏むタイミングや車間距離などについてアドバイスをくれる事でしょう。それに万が一自分のドライビングテクニックではどうしようもなくなった時に、ピンチヒッターとして代わりに運転して窮地を脱することができるかもしれません。
運転が上手い人にとっては「あなたみたいに運転が上手くなりたいから練習に付き合ってくれないか」と言われることは喜びでもあります。申し訳ないと思わずにお願いしてみましょう。

いない場合でも一人で運転は避ける

周りに運転が上手い人がいない場合であっても一人で運転するのは避けましょう。初心者やペーパードライバーが運転をしていると必ず精神的につらい時間が訪れます。隣に人が座っていて軽く話をしてくれるだけで不安は少なくなります。
また一人で運転している時には気が付かないようなことにも一緒に乗ってくれる人がいると気付くことができます。例えば線を少し踏み越えている場合や、極端なケースだと信号を見落としそうになったときに「赤だよ!!」と停止を促してくれることもあります(これは意外と多いです)。
可能であれば運転が上手い人にお願いするのがベストですが、どうしてもいない場合には自分が気軽に話せる人であれば誰でもいいので同乗してもらうようにしましょう。

まとめ

ペーパードライバーを卒業するにあたって練習前に必要な準備について説明してきました。万が一事故を起こしてしまった際のリスクを最小限にしながら、一緒に練習に付き合ってくれる人を探すことで準備は整ってきたと言うことができるでしょう。次回の第2回では、いざ運転して出発をする直前に注意しておくことについてまとめてあります。こちらも併せてご覧ください。